前に、前に
いっつも思うけど他人の人間関係とかどう接してるかってそんな興味ある?
— Yuri Kudoh❖Garuda (@yurisiak0510) 2021年6月22日
まぁ知りたいって言う好奇心はいいけどなんでそこから批判&押しつけが始まるのかがわからん
こんなツイートを前にした。この日記もどきを遡れば、自分がまだ青かった頃の文字の羅列が残っている。ご覧のように、酷い高二病を拗らせたかんじだ。
そのすぐ後に、こんなツイートをした。
ヴァンペルトの
— Yuri Kudoh❖Garuda (@yurisiak0510) 2021年6月24日
「天国は存在する。不滅の魂も」
に対してのジェーンの答えが僕の全ての宗教に対する答えになってる
「僕はいらないね」
つまるところ、深井零ではないけれど、自分は自分の世界で生きて行ければいいと思っていた。
自分の能力は高いと思ってる訳では無いけれど、大体のことはこなせるし、大体の人よりできるという自尊心やアイデンティティ、エゴの塊である僕は、このコロナ禍でそのエゴやアイデンティティといった心と言うやつを完膚無きまでに粉砕された。
人は一人で生きていける
どうやらそういう訳にも行かないそうだ。
部活で全国へ。そんな青春を夢みて仲の良かった友人と全く違う離れた高校へ。3年間ですべてボロ雑巾のようになった。
入ってみたらクラブチームの方が「人数が揃えられなかった」らしく、クラブの3人と大学生に交じって朝早くと夜遅くに練習したり試合ではプールサイドに座って時間を過ごす毎日だった1年。
学校では私高でスポーツメインゆえの低レベルな教育、勉強はしないけど知識とか推理が得意だったのでなまじ模試やら定期テストやらで高得点を取り、学習クラスに。
2年を過ぎれば生徒会にも入ることになった。友達と呼べる仲のいい奴らはいたが、部活のメンバーはみんなほかのクラス。
同じ中学上がりのクラスメイト(それまでは同じ下校組だった程度の知り合い)と恋仲になったのだけれど、サッカー部の割とパリピな奴に寝取られた。
正確に言えば、僕の方がメンタル死んでて構ったりしてなかったから当然の帰結かもね。
さっき言った通り、3人からスタートしたこの〇〇部は中学からの引き継ぎで僕がキャプテンをやった。全日本のメンバーで日本一を撮ったチームの人がコーチや監督について指導してくれる、というのは幸運なことなのだろう。しかし、僕にとっては苦痛でしかなかった。
全国から引き抜いてきたプレーヤーたち。僕はお世辞にも上手いプレーヤーでは無かった。トップダウン型のチームではなく、ボトムアップ型のチームにしよう。そう決意して、いわば中間管理職のようなポジションにいた。
大変だったなぁ。頭があまり良くなくて、合宿やら遠征どころか毎日毎日問題があった。
〇〇部どうなってんだ。先生からの呼び出し。
××が赤点取ったと聞いた。監督からの呼び出し。それを受けてミーティングなり個人的に呼び出すなりした時の自分より下のくせに、と見下す後輩たちと自分の仕事じゃない、と無視する同期。
部活それ自体もチームのミスはキャプテンのミス。部員のミスや問題はほぼ全部被った。
勝てない理由、試合中の動きの話、あいつがこうこいつがそう……そんなのが続いた結果、不眠症になった。精確には、今思えば、だけど。
結構体を酷使するスポーツだったから身体は疲れ切っていて、でもやなことばかり考えて眠れない。
そんな時に、MMOに出会った。そこで仲良くなった友達と、夜遅くまで話したりした。疑似恋愛もした。メンバーからだいぶイタい小説を読んだり、仲裁に入ったり、そこでも中間管理職みたいなことをしていた。
3年にあがり、受験も考えなきゃ。そんな頃、監督が変わった。スパルタで体を動かすタイプの前監督から、理詰めで動く監督に。その結果?もっと立場が狭くなった。
部員たちの目の前で詰問されることが増えた。あれは誰が悪いんや。これはどうすればええんや。お前やろ。キャプテンなんやろ、と。
試合にもまともに出られなくなった。そんな時に慰めてくれた後輩と付き合い始めた。その子の故郷に行くのもありかな、と考え始めた矢先、夜に電話がかかってきた。
「先輩のことは好きだからなんていえばいいか分からない、本当にごめんなさい」
疲れ切っていてよくわからなかった。もっと頭が回る頃なら、たぶん察することが出来たんだと思う。
「先輩のことは好きだけど、もっと好きな人が出来た」
泣きじゃくりながら話す電話口で、僕は無意識に家を出たのを覚えている。
綺麗な月夜だった。
本当は引き止めて欲しかったのかもしれない。肉体関係は持ってなかったけれど、それ以外はお泊まり会もしたしキスだってした。デート……は部活の都合上厳しくて、ちょっと部活終わりに海見に行ったりご飯食べに行ったり。まぁそれなりのプラトニックな恋愛関係だった。
回らない頭で、そっか、しかたないね。わかった、と答えた。
そこからだった。予測変換に底という漢字が出てきた。底からと。底からじゃない。底からさらに落ちていった。
恋人だったはずの彼女は前の彼女を寝取ったのと同じ奴を好きになったらしい。1人目を前カノ、2人目を元カノとしよう。元カノはそいつと自分のつるんでるグループで僕を徹底的に無視することに決めたらしい。 最後の言葉も方便だった、とわかったところでもうなんの感情もわかなかった。
それは広がり、後輩たちは僕のことをさらに舐めた目で見るようになった。地元組の後輩はそれでも良くしてくれたが、なんの気休めにもならなかった。
ちなみに、前カノは結局振られたらしくメンタルがボロボロになって僕に助けを求めてきた。別になんとも思ってなかったので、イヤホンしながら愚痴を聞き流し、毎晩送られてくるメンヘラメッセージを相槌と同意でやりすごし、帰りの電車ではスマホの画面だけ見て隣でまるで昔に戻ったかのようにくっつく前カノも、拠り所が欲しいだけで僕じゃなくていいことを知っていた。だから、僕の中では別に友達でも知り合いでもなく、恋人であったことさえ心の奥底に閉じ込めて少し距離が近い知り合いだった人として過ごしていた。
部活の方はもちろん上手くいくわけがなく、何とか出場権を獲得したインターハイでも1試合も出ることなく終わった。
「3年生でインターハイに行く」
誘い文句は嘘じゃなかった。でも、なんの達成感も栄光も賞賛もなかった。何度退部届けを出そうと思ったろう。一言、辞めますが言えなかった。
当時から高二病だった僕自身がいちばん斜に見ていた組織関係に捕らわれていた。滑稽な話しだ。
そんなメンタルの崩壊を促進したのが先のMMOだった。リーダーとメンバーの喧嘩に巻き込まれ、またしても仲裁、管理職。疑似恋愛でも情は湧いていたようで、少し部活が忙しくて離れていたら、どうやら嫌われてしまったみたいだ。無視、無視、無視。ご丁寧にブロックまでされた。理由も聞けなかった。そのMMOはやめた。
そんな時に決めたのが、地元を出て誰も知らない所へ行くことだった。
一冊の本に出会ったことで、その決断ができた。
たくさん練習して対策して推薦に受かった。入試の席の隣の人と仲良くなれた。
僕は上京したての田舎者。こっちのグループの人とは仲良くなれなさそうだな、と思っていた。そんな気持ちで迎えた新入生セミナー。泊まりがけで色々なところに行くものだ。同じ班の人と仲良くなれたと思った。その初日の夜の温泉。なんだったかは忘れたけれど、何かで揉めた。大学近くに住んでる僕のアパートに宿代わりに泊まろうとしてくる連絡も全部蹴った。そして、簡単に言えば大学でのグループから弾かれた。
まったくお笑いだ。これじゃ、ただのコミュニケーション能力に問題がある自己陶酔型のエゴイストだ。
結局その日は宿でひたすら1人になれる場所を探していた。
次の日もずっと1人だった。グループに僕の居場所はなかった。1年は成績優秀でバーのバイトでとそこそこ充実していた。
ところが、2年に入る前にコロナが始まった。授業はリモート。課題はメール。バイトは全部休止。
さて、こまった。何もすることがない。ここにきて、不眠症が最悪の状況になった。それまでは小康状態だったが、一気に来た。昼夜逆転が毎日起こった。昼に寝る日と夜に寝る日が徹夜を挟んで交互に来る。友達もいない。MMOを始めた。別のタイトルだ。のめりこんだ。ずーっとそのゲームをしていた。とあるバトルロイヤルシューティングにもハマったかな。
2年次の単位なんかないに等しかった。そして3年。MMOは凪でFPSは友達がいない。ずっとソロで回していた。一時期ランクを回していた人もいたけれど、誘っても返事がない。断られる。別の人と。そんな返事ばかり。
ふと頭をよぎった言葉が気持ち悪くて仕方なかった。
僕が一緒に遊べるのは声掛けてるあなたたちしかいないのに
フレンド欄、返事のないメッセージ欄。交互に見て、ずっと感情が消えていった。
少しならできるけどやる?と言われた時にはもう遅かった。手が勝手に動いていた。
大丈夫。やらなくて大丈夫。
それが多分、最後の理性的な抵抗でもあった。衝動的に書かなくてよかった。
それをここでぶちまけてしまおうか。それもいい。
一緒に回すって言ったじゃん。
遊んでたら声かけるって言ったじゃん。
3回声掛けて3回とももダメだったよ。
嫌いなら嫌いって言ってよ。
声掛けて欲しくないならそういえばいい。傷つかないから。もう傷だらけだから気にしないよ。
理由つけて断ったあと見たら別の人とやってるじゃん。
そもそも毎回僕から誘ってて誘ってくれたことほとんどないでしょ。
君たちには他のフレンドがいる。でも僕には君たちしかいないんだ。
口に出かかってとめた言葉。友達を作る努力をしなかった僕が悪いのはわかってる。それでも言いたくなってしまうなら、感情なんていらないじゃないか。
この言葉を考えてから冒頭のツイートである「僕はいらないね」を見た時に、自分が愚かの極みだったことに気づいたのだ。
いらないと言えるのは選択できるから
なんだ、お前は。散々友達がいる時にいらないいらないと言っておいて、欲しがってるじゃないか。馬鹿か。
いま、僕は心療内科にかかっている。睡眠薬を貰い、どうにか社会生活を続けられるようにしようとしている。
可笑しいね。人は1人では、生きていけないんだよ。
誰かもっと早く言ってくれよ。こんなの知らなかったよ。たった1人でインターネット上のコンテンツと膨大な時間を消費する毎日。
僕はもう、落伍者だ。